ちょっとだけ、那須湯本。 ①

その日は雨の予報が出ていて

やはり細かい雨が朝から降っていた。

家でまったりするのもいい。

されど

那須の紅葉は待っていてはくれない。



午前11時を過ぎたころ

僕らは「那須湯本」にいた。

黒磯駅から登ってきた路線バスからは

大きなザックを背負った「山男」たちが続々と降りてきた。

天気があいにくでも

そこは那須、である。


遠くの景色をカメラに収めようとしていたら

首輪をつけたワンちゃん。

あわてることなく

駐車場の案内に「片足」をあげて・・・


飼い主さんはどこかな?

なんてキョロキョロしていたら

ワンちゃん、ちゃーんと坂道を下りて

橋を渡って

お家に戻ってゆきました。


そのわんちゃんの向かった先のほうに

「鹿の湯」はありました。

いまにも雲に隠れそうな

幻想的な日。


九尾の狐も化けられそうな気がする。


延喜式「温泉(ゆせん)神社」。

ここの紅葉も

また、格別である。


色づきのあるなかで

深緑のカエデ。

僕は緑の本来のカエデも好きだ。


どんぐり。

今年初めて見たのかも。


紅く染まった落葉は

雨に濡れて

さらに、その色を強調させる。


雨の日こそ、紅葉の美しさを味わえることもある。


なんの意図もなく

落ちるがまま

並べられてゆく。


散りばめられた葉は


自然がもたらした

まさにアート。

きっと晴れたら

これだけ色濃くは見えなかったであろう。

肉眼だと

なおキレイに思えた。

殺生石をバックに。



温泉神社から散策路が通じている。

この日は足元が悪いので

ここでクルマに戻ることにする。



そして向かう先は・・・


続く

http://d.hatena.ne.jp/nasuchari/20111019#1319029886