栃木県北・那須地域「サクラ定点観察2012」 これで全開スペシャル⑥ 2012.04.22

サクラはツボミから眺めるもの・・・

僕はそう思ってきました。

でも

それは「独りよがり」だ、という声をいただいた。

冷静に振り返れば

そういうことだった。


美しい、という感覚は人それぞれ。

いつの間にか

僕は

自分の思い込みを「押し付けていた」だけだった。


僕が伝えるべきは

「いまサクラはどうなっているか」

それだけだった。


自分で歩いて

自分で伝える・・・

このブログはそれが使命だった。


いつしか

僕は「サクラ」に魅了され

「サクラ」「満開」という言葉だけが独り歩きしているメディアに不満を感じていた。

ツボミも

葉っぱも

コレだけ美しいものはない、と。


先日、ある出来事により

方向性が変わっている自身に気づかされた。

「独りよがり」

そして「押し付け」・・・


僕が伝えるべきは

「リアルな目線」。

僕が歩いて見た世界を

そのまま伝えること。


それだけでいいことに

再び気づかされたのである。



さぁ

最後の訪問地へ

到着です。。。

⑬ 那珂川町・馬頭公園

気温9℃ 雨 無風。

およそ1ヶ月のあいだ

僕はサクラを追い続けた。

だけど

一人でずっと眺めてきた。


この日は最後の「花見」となるだろう。

そう考えて

相方さんを急遽呼び出した。

雨の、公園に。

まだ緑色が少ないこの時期、

曇天に樹木の「茶色」と重なって、

濃いピンク色のシダレザクラ

控えめに立ちすくんでいた。

照れないで

正面を向いてごらん?

母が子を守るかのように

雨のしずくから

花びらは「おしべ」を守ろうと必死に見えた。

二人で傘を差しながら

展望台に登る。


芝生は雨を多く吸い込んで

サクラの花びらも

わからなくなるくらい

重々しく這っていた。

晴れていれば

白く見えて終わってしまう。

まるで絵の具のように

しずくが

ピンクをほのかに濃くさせた。

ハートか

それともキツネの顔か。

⑭ 大田原市・ふれあいの丘

気温9℃ 曇り→雨 無風。

シャトーエスポワールを円で囲むように

サクラの木が植えられている。

夕方になり

やや薄暗くなったけど

手を取り合って

サクラを愛でる。


この並木道は

どこまでも終わらない。

次の命につなげるために

自らの命を天に捧げる。


燃え尽きて

いや

燃え尽きるまで。。。



今年の定点観察は

ここで幕を閉じました。

同じサクラ

同じ樹木であっても

同じ花を咲かすことは

二度とありません。


これからサクラの葉は

遅咲き種を除いて

太陽の陽射しをたくさん浴びて

深緑の葉を輝かせ

雨季に栄養を蓄え

秋の衣替えで「冬支度」を始めます。


僕は引き続き

規模を縮小して

サクラの勉強をしてゆきます。

また来年、

どんな姿を魅せてくれるのか


楽しみに待つこととしましょうか・・・

(終)